SSブログ

fujisan.co.jpへ

不老長寿ではなく不良長寿 [ブログ]

先日、東京国際フォーラムで開かれた日本内科学会の公開講座に参加してきました。

題目は「不老長寿と免疫」というもので、免疫学の大家、順天堂大学 アトピー疾患研究センター長の奥村康先生が講師を担当されました。

約1時間半ほどのお話でしたが、大変楽しく、面白く、なおかつためになる内容であり、また、「え! そうだったの!」というような意外なお話を聞かせていただきました。

「ここは、全部オフレコに」とか「決して他言はしないように」とか「こんなことをいうとその関係者などから怒られる」とか、豊富な人脈交流のなかでのおもしろおかしいエピソードを交えられ、大学のしかも、医学部教授、さらにノーベル賞をもらっても不思議ではない方の講演とは思えない事ばかりでした。

さて、そのなかで、いくつか印象に残ったことを、「オフレコ」「他言」「怒られる」という先生のご指示に反しない程度でレポートしたいと思います。

1、「不老」と「長寿」について、日本では、「不老長寿」と一つのことばでくくられているが、欧米ではこれに該当する言葉がないそうだ。「不老」というのは、「アンチエイジング」、つまり若返り、歳を取らない、ということで、「長寿」というのは歳を重ねて長生きするということで、ある意味相反することなのそうだ。

2、「不老」よりも「不良」のほうが「長寿」ということで、悪い人ほど長生きをするという、悪い人というのは犯罪者ということではなく、清廉潔白、まじめで、酒もたばこも飲まない、規則正しい生活を送っている人ほど、ストレスをためやすく、プレッシャーを受けやすく長生きができないことが多い、ということのようです。

これに関して、先日、テレビの情報バラエティ番組で、医者やコンサルタントがコメンテーターとして出演しているなかで、

「キレないようにするには、どうしたら」とある人がコメンテーターに質問しました。

すると、一人のコメンテーターが、

「あなたのお子さんは、がまん強いですか?」と逆に質問をしました。

さて、質問されたほうはなんと答えたでしょか、また、通常、よくいう回答は、、
その方は、

「うちの子は、がまん強い子ですよ」とやや誇らしげに答えました。
だいたい、「がまん強い」という答えのほうが、いいように受け取られています。

ところが、コメンテーターは「がまん強い子のほうがよくキレるんです」と、意外なコメントが、、。
その理由は、「がまん強いということは、ストレスを溜めて、溜めこんで、そのストレスが一気に吐き出すときにキレるんです、ですから、我慢せずにふだんからストレスを小さなうちから吐き出しておくほうがいいですよ」

その意味で、奥村先生は「不良」ということばを使っているのでしょう。
それは「フィンランド症候群」というフィンランドの保健局が行った「健康管理」の検証データでも明らかになっているとも話していました。

ただ、「不良」の人が増えると「健康管理」なんか必要ない、ということで病院や医者が上がったりということにもなりかねない、それよりも社会が混乱するということで、最初は公表されなかったそうです。

3、脳の働きをよくするには、「コレステロール」が高いほうがいい、ということらしいです。しかもコレステロール値が300までは放っておけというのです。健康管理上、コレステロールが高く、成人病になりますよ、と中高年になると酒や過食を控えなさい、といわれます。まあ、心臓や肝臓をはじめとした内臓系の疾患については、奥村先生は触れていませんでしたが、脳神経の活動や成長に大切な要素だといいます。さらに、コレステロールを下げる薬によって精神的なダメージを受けるとも。

当日は、テーマがテーマですので、会場には中高年齢の方が多くみられました。

その意味なのか、70歳を越えて、健康管理だ、規則正しい生活だ、酒を控えるとか、運動不足にならないようにとか、そんなことよりも、好きなことをやればいい、「70歳を超えて、なにをいまさら健康管理だ~」というお話でした。

そういった精神的な活動には、免疫が大きく関係しているとのこと。最近「免疫力アップ」といった書籍や新聞記事が目につきます。つまりは、免疫力が下がるということは、激しいストレスがあるせいだということで、前向きで活き活きとした生活をすることで免疫がアップし、長寿になるのかな、そのためには「不良」生活がいいのかな、とも。

このほか、びっくりするような、かなり大胆なお話もされていましたが、普通の人ならば非難ごうごうだと思いますが、それは奥村先生の研究業績などの実績と、高い評価、各方面から支持されているからこそ言えることだと思います。

そして、「心と免疫系」が大きくつながっていると。
現代は「こころの健康」が重要視されており「心の科学」の研究と解決策が急務だといえるのではないでしょうか?

いままでが肉体的な科学・医学先行、しかし、その陰にあった心の科学・医学があまり重要視されていなかったことで、いまのアンバランスが生じているのではないでしょうか。心身一体なんですね、人間は。

ちなみに、金持ちやいろんな欲の深い人に長寿が多いような気がするんですが、、気のせいでしょうか?


まじめは寿命を縮める 不良長寿のすすめ  (宝島社新書)

まじめは寿命を縮める 不良長寿のすすめ (宝島社新書)

  • 作者: 奥村康 (順天堂大学医学部教授)
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2009/01/10
  • メディア: 新書



3日でわかる免疫 (知性のBasicシリーズ)

3日でわかる免疫 (知性のBasicシリーズ)

  • 作者: 奥村 康
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 単行本



免疫のはなし

免疫のはなし

  • 作者: 奥村 康
  • 出版社/メーカー: 東京図書
  • 発売日: 1993/05
  • メディア: 単行本



カラー図解 臨床に役立つ免疫学

カラー図解 臨床に役立つ免疫学

  • 作者: ゲルト・リュディガー ブルメスター
  • 出版社/メーカー: メディカルサイエンスインターナショナル
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本



まじめをやめれば病気にならない (PHP新書)

まじめをやめれば病気にならない (PHP新書)

  • 作者: 安保 徹
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2007/12/14
  • メディア: 新書



nice!(28)  コメント(1) 
共通テーマ:健康

nice! 28

コメント 1

kyon

とっても興味深い内容ですね~。
日々進化していく医療の中と情報量が多い世の中で
1つの物事に関しても賛否両論の意見があり
その中で自分が共感出来るものを選んでいくのがいいんでしょうね。。。

by kyon (2010-04-15 15:04) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。


保険のことプロにご相談下さい!

自動車保険一括見積り - 保険市場Autos 保険比較の保険市場

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。