夢半ばの木村さん「何でも屋」人生に思う

昨日未明に亡くなった読売ジャイアンツ　内野守備走塁コーチ　木村拓也さん、

ご自身のことを「何でも屋」と評されていたそうです。

「何でも屋」というと、なんでもできるが、決して目覚ましい活躍はしない、トップにはならない、なれない、

そこそこで、広く浅くというふうに、あまりいい方に取られないようです。

新聞の木村さん評も「苦労人」としています。

２０年ほど前、亡くなられたニュースキャスターの筑紫哲也さんに原稿執筆をお願いしたことがありました。

上がった原稿を拝見すると、「日本人の美徳でもある”器用さ”が失われている」というテーマで原稿は書かれていました。

「何でも屋」や「器用さ」がなければ、生き残っていけないということがいえるかもしれません。

しかし、一方で、みんながみんな、輝かしい、みんなから賞賛や、注目されたい、目立つ仕事や、目立たないと一人前じゃない、いちばんじゃないといけない、という風潮があり、目指すものも、それを見る方も、それでなければ存在意義、存在価値はない、というのが今の日本ではないだろうか？

そのため、みなが同じ方向に向いていることで、なにか大きなトラブルが起きると、一蓮托生で倒れてしまう、
一昨年の「リーマン・ショック」以後、大恐慌に陥っているのが典型的な例だろう。

会社であり、政治であり、スポーツの世界や、人間社会のなかで、そのような「何でも屋」の存在の価値を認めなくなった、それによりその役割を果たす人がいなくなった、というなかで、木村さんは、存在価値を認めさせた貴重な方であり、それを見出した原監督、その人間性で、自らの存在を称賛されるようになったことは、いま生きている私たちのこころに残り、これからの人生に活かしていかなくてはならないと思います。

なによりも、シーズン中だということもあり、現役野球人ということもありましたが、昨日のプロ野球の全試合で黙とうをささげられたというのは、それだけ木村さんの人生「何でも屋」を認めていた証左ではないでしょうか。

人の上に立つ人、いちばんを目指している人たち、前や上だけを見るのではなく、また、見られる立場の人も、３６０度見てみることが大切だと思います。

タグ：木村拓也 内野守備走塁コーチ くも膜下

コメント 7

エースより、
オールラウンドプレイヤーの惹かれます。

by くろすけ (2010-04-08 16:47) 

今年コーチとしての活躍を期待していたので、残念でした…ご冥福をお祈りいたします。
by green_blue_sky (2010-04-08 19:51) 

木村さん　御冥福をお祈りします！
うわー、なんかずしっとくる～ぅ。私も「なんでも便利屋」みたいな仕事なんですが、親なんかには、器用貧乏って言われちゃうことが・・・（笑）

歌にもありますが、ナンバーワンになれそうにありませんが、オンリーワンにはなりたいな・・・。にゃはは。
by ゆうのすけ (2010-04-08 20:00) 

今の時代、何でも屋、まぁいわゆるオールラウンドに何でも出来る人って貴重な存在ですよね…
ほんとに残念です…

by がっちゃん (2010-04-08 21:39) 

悲しいことに「器用貧乏」なんて言われるんですよね。
by ふぢた (2010-04-08 21:46) 

くろすけさん　green_blue_skyさん　ゆうのすけさん　がっちゃんさん　ふぢたさん　「器用貧乏」＝オールラウンドプレイヤー、貧乏ではないと思います。どんなに時代が変わっても、器用な人もオールラウンドプレイヤーも必要とされていると思います。ただ、それをできる人が少なくなっているのですね。目先のことや、目立つことしかできない人ばかりです。
by YAOJIMA (2010-04-09 00:01) 

私も器用貧乏のジャンルにぴたっと当てはまる人間の一人だと思うので、励ましていただいたようでうれしいです。特殊な才能がぬきんでている人間として生まれるのは、ほんの一握りの恵まれた人だと思うので、木村コーチのように、コツコツと求められたことに応じて自分の能力を磨き、喜んでもらえる仕事を果たすしかないんじゃないかと感じます。
by yoikosan (2010-04-09 08:46)